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先に結論からお伝えします。いまの価格差なら、基本は旧型のNJ-VP10Hがおすすめです。
新型のNJ-VP10Jと旧型のNJ-VP10Hは、内釜も加熱の仕組みも、本体の大きさや消費電力の数値まで同じ。公式の仕様を突き合わせて見つかった違いは、銘柄に合わせた炊き方を選べるお米の数、低温調理で選べる温度、しゃもじの付属の3つだけでした。
一方で、価格には2万円弱の差があります。炊きあがりを決める部分が変わっていない以上、その差額は「増えた機能」に払うお金です。
ただし、次のどちらかに当てはまるなら、新型のNJ-VP10Jを選ぶ理由があります。
- ふだん買っているお米が、新型で増えた13銘柄のどれかで、銘柄専用の炊き方を使いたい
- 低温調理で、57℃・62℃や80℃・85℃といった温度を指定するレシピを作りたい
この記事では、3つの違いの中身と、変わっていない部分を公式の仕様表と取扱説明書で確かめたうえで、どちらがどんな人に向いているのかまで整理します。
NJ-VP10H
NJ-VP10J
NJ-VP10JとNJ-VP10Hの違いを一覧で比較
三菱電機の「備長炭 炭炊釜」は、圧力をかけずに炊くタイプの5.5合炊きIHジャー炊飯器です。NJ-VP10Jが2026年7月21日発売の新型、NJ-VP10Hが2025年9月1日発売の1つ前のモデルにあたります。
まずは、2機種の違いを一覧表で確認しましょう。
| 項目 | NJ-VP10H(旧型) | NJ-VP10J(新型) |
|---|---|---|
| 発売時期 | 2025年9月1日 | 2026年7月21日 |
| 銘柄芳潤炊きで選べる銘柄 | 7銘柄+おまかせ | 20銘柄+おまかせ |
| 低温調理の温度 | 65〜75℃(5℃単位) | 57℃・62℃・65〜85℃(5℃単位) |
| しゃもじ | 付属(立てて置ける) | 付属なし(市販品を使う) |
| 内釜・加熱の仕組み | 共通(ダブル備長炭コート熾火 炭炊釜・厚さ3.5mm/連続沸騰/八重全面加熱) | |
| サイズ・消費電力 | 共通(幅237×奥行293×高さ227mm/約5.1kg/最大1280W) | |
| 価格の傾向 | 1つ前のモデルのぶん抑えられている | 2万円弱高い |
| こんな人に | 炊きあがりの土台が同じなら、価格を抑えたい人 | 増えた銘柄のお米を常用する人、低温調理の温度を細かく選びたい人 |
表を見ると、違いがあるのは「銘柄」「低温調理の温度」「しゃもじ」の3行だけです。
炊きあがりを左右する内釜と加熱の仕組みは、新旧でまったく同じ。本体の大きさや消費電力も、公式の数値が一致しています。
つまり、この2機種で迷ったときに確かめることはシンプルです。増えた2つの機能を、自分の生活で使うかどうか。そして、それに2万円弱を払うかどうか。
次の章から、3つの違いをひとつずつ見ていきます。
3つの違いを詳しく確認

ここからは、表に挙げた3つの違いを順番に見ていきます。どれも「使う人には意味があり、使わない人には差にならない」タイプの違いなので、自分に当てはまるかを考えながら読んでみてください。
違い①: 銘柄芳潤炊きは7銘柄から20銘柄に
「銘柄芳潤炊き」は、お米の銘柄を選ぶと、その銘柄に合わせた炊き方で炊いてくれるモードです。白米と無洗米で使えます。
旧型NJ-VP10Hで選べるのは、次の7銘柄です。
- あきたこまち
- コシヒカリ
- つや姫
- ななつぼし
- ひとめぼれ
- ヒノヒカリ
- ゆめぴりか
新型NJ-VP10Jでは、これが20銘柄になりました。旧型の7銘柄はすべてそのまま残っていて、そこに13銘柄が加わった形です。
増えた13銘柄は次のとおりです。
- 銀河のしずく(岩手)
- サキホコレ(秋田)
- 雪若丸(山形)
- はえぬき(山形)
- 富富富(富山)
- 彩のきずな(埼玉)
- ミネアサヒ(愛知)
- キヌヒカリ(滋賀)
- きぬむすめ(島根)
- 元気つくし(福岡)
- くまさんの輝き(熊本)
- カルローズ
- ブレンド米
メーカーは新型の銘柄芳潤炊きについて、全国のお米20銘柄それぞれの個性を引き出す専用モードだとしています。
ここで大事なのは、一覧にない銘柄でも炊けなくなるわけではない、という点です。旧型にも新型にも「おまかせ」があり、銘柄が一覧に見つからないときはこれを選びます。
旧型の銘柄芳潤炊きについては、銘柄を選べるのがよい、あきたこまちを選んで希望どおりのかためでしゃっきりした炊きあがりになった、という声があります。銘柄モードは、実際に使われている機能だといえそうです。
この違いが効くのは、ふだん買うお米が増えた13銘柄の中にある人です。たとえば地元のはえぬきや元気つくしをいつも買っていて、その銘柄専用の炊き方を使いたいなら、新型を選ぶ理由になります。
反対に、コシヒカリやゆめぴりかなど旧型の7銘柄に入っているお米を食べている人や、銘柄を選ばず白米のふつうで炊いている人には、差にならない違いでしょう。
迷ったら、いま台所にあるお米の袋を見てみてください。袋に書かれた銘柄が、上の13銘柄に入っているかどうか。それだけで、この違いが自分に関係するかが分かります。
季節やお店によって買う銘柄が変わる家庭なら、ここ数か月で買ったお米を思い出してみるのもおすすめです。増えた13銘柄の名前が一度も出てこないなら、銘柄の数を理由に新型を選ぶ必要はないでしょう。
違い②: 低温調理の温度は、新型だけ57℃・62℃と80℃・85℃が選べる
2機種とも、ジッパー付きの食品保存袋に入れた食材を、内釜のお湯で決まった温度に保ちながら加熱する「低温調理」ができます。時間はどちらも5〜180分で設定します。
違うのは、選べる温度の幅です。
- 旧型NJ-VP10H: 65〜75℃(5℃単位)
- 新型NJ-VP10J: 57℃、62℃、65〜85℃(5℃単位)
新型で増えたのは、65℃より低い57℃と62℃、そして75℃より高い80℃と85℃の4つです。
ここで知っておきたいのは、65〜75℃の範囲に収まるレシピなら、新旧で設定が同じだということ。
たとえば公式レシピのサラダチキンは、旧型の取扱説明書のメニュー集でも、新型の公式サイトのレシピでも、70℃・130分です。鮭フレークも、どちらも65℃・45分。定番の低温調理メニューは、旧型でもそのまま作れます。
メーカーは新型の低温調理について、57℃・62℃・65〜85℃の調理が可能になった「メニュー拡大中」の機能として紹介しています。
旧型でも、低温調理でサラダチキンを作ったという声が一部にはあります。炊飯器を炊飯以外にも使っている人がいる、ということですね。
この違いが効くのは、低温調理をよく使い、レシピ本やネットのレシピで57℃・62℃、あるいは80℃以上の温度を指定されることがある人です。
一方、低温調理をまだ使ったことがない人や、サラダチキンや鮭フレークのような定番メニューが作れれば十分な人にとっては、旧型の65〜75℃で困る場面は少ないでしょう。
違い③: しゃもじが付くのは旧型だけ
3つめは、付属品の違いです。
旧型NJ-VP10Hには、しゃもじが1本付いてきます。取扱説明書には、立てて置けるしゃもじだと書かれています。
一方、新型NJ-VP10Jの仕様表では、しゃもじの欄が「-」です。注記には、しゃもじは付属していないので、市販の金属製以外で先のとがっていないものを使うように、とあります。
金属製のしゃもじを避けるのは、内釜の内側のフッ素加工を傷めないためです。手持ちの樹脂や木のしゃもじがあれば、それを使えば済みます。
なお、お米を量る計量カップは、2機種とも付属しています。1合も0.5合も量れるカップです。
この違いは小さなものです。とはいえ、引っ越しや新生活で台所用品を一式そろえている最中なら、しゃもじまで箱に入っている旧型のほうが手間は少ないでしょう。
変わっていないところ — 炊き方の土台・サイズ・手入れ

ここまでは「増えたもの・無くなったもの」を見てきました。この章では逆に、新旧で変わっていない部分を確認します。
旧型に気持ちが傾いている人ほど、「1つ前のモデルだと、肝心の炊きあがりで差がつくのでは」と気になりますよね。結論からいうと、炊きあがりを決める部分は同じです。
釜と加熱の仕組みはそのまま
2機種の公式情報を突き合わせると、次の項目はすべて共通でした。
- 内釜: ダブル備長炭コート熾火 炭炊釜(厚さ3.5mm)
- 連続沸騰
- 八重全面加熱(内釜を包む8重のヒーター)
- 熱密封構造(熱密封リング)
- 放熱板(内ぶた)の炭コート
- 超音波吸水
聞き慣れない言葉が並んだので、生活の言葉に置き換えてみます。
連続沸騰は、沸騰したあとも火力を弱めずに強火で炊き続ける炊き方です。メーカーは、ふきこぼれるほどの大火力で温度を一気に上げ、沸騰を続けることでお米のうまみを引き出すと説明しています。
超音波吸水は、超音波の細かな振動でお米に水を吸わせる仕組み。お米を洗ってから水に浸けておかなくても、すぐに炊き始められます。
熱密封構造は、本体と内釜のすき間をリングでふさいで、熱を外へ逃がさないためのものです。
どれも「おいしく炊くための仕組み」の中心にあたる部分で、新型で作り直されたわけではありません。旧型の炊きあがりについては、粒が立ったかため寄りのごはんを評価する声があり、同じ仕組みの新型にもその方向の炊きあがりが期待できます。
サイズ・重さ・電気代は数値まで同じ
置き場所と電気まわりも、公式の数値が一致しています。
- 外形寸法: 幅237×奥行293×高さ227mm(ふたを開けたときの高さ439mm)
- 質量: 約5.1kg
- 最大消費電力: 1280W
- 1回あたりの炊飯時消費電力量: 170.7Wh(白米ふつう)
- 1時間あたりの保温時消費電力量: 17.1Wh
新型が置ける場所には、旧型もそのまま置けます。棚の高さがぎりぎりの台所でも、この2機種の間でサイズを悩み直す必要はありません。
電気代の面でも同じ条件です。「新しいほうが省エネなのでは」と考えて新型を選ぶ理由は、この2機種にはありません。
エコ炊飯モードで3合炊いたときに出る蒸気の量(蒸発水量)も、2機種とも6.0g。通常の炊飯の31.1gより大きく減らせる点まで共通です。
少量炊き・冷凍用・早炊き・保温・手入れも共通
毎日の使い方にかかわる機能も、次のものは2機種で共通です。
- 0.5合から5.5合まで炊ける。0.5〜2合の少量専用の炊き方もある
- 冷凍用モード(白米・無洗米・玄米)
- 早炊きの「うま早」「お急ぎ」
- 玄米を芳潤に炊くモード
- 保温は「保温切」「たべごろ保温」「一定保温」の3種類から選べる
- 予約は「予約1」「予約2」と「かんたん予約」
一人分だけ炊く日も、週末にまとめて炊いて冷凍する家庭も、使える機能は変わりません。
手入れも同じです。毎回洗う部品は内釜と内ぶたの2つ。内釜やパッキンについたにおいを軽くする「お手入れモード」も、どちらにも付いています。
内釜の内側のフッ素加工には、2機種ともお買い上げから3年の保証があります。
ひとつだけ補足すると、吸水の機能は、旧型の製品情報では「可変超音波吸水」、新型では「超音波吸水」と書かれています。ただ、旧型の取扱説明書の特長一覧でも「超音波吸水」と表記されていて、新型の公式サイトも炊き方に合わせて超音波を調整すると説明しています。名前の書き方の揺れで、機能の違いとして扱う材料はありません。
価格差は2万円弱。その差額で手に入るもの
ここまでの内容を、価格と合わせて整理します。
2026年9月中旬の時点で、新型NJ-VP10Jは旧型NJ-VP10Hより2万円弱高くなっています。1万円台後半の差です。
その差額で手に入るのは、次の2つ。
- 銘柄芳潤炊きで選べる13銘柄
- 低温調理の57℃・62℃・80℃・85℃の4つの温度
逆に、新型では付属のしゃもじが無くなります。
炊きあがりの土台が同じである以上、ふだんの炊飯だけを考えるなら、この差額に見合う変化とは言いにくいのが正直なところです。増えた2つの機能を使う予定がはっきりしている人だけが、差額を払う意味のあるペアといえます。
価格差が縮んだら、新型を選んでよい
価格は動きます。次のような状況になっていたら、判断を切り替えてかまいません。
- 価格差が数千円程度まで縮んでいる → 増えた機能をおまけとして受け取れるので、新しいNJ-VP10Jを選んでよい
- 旧型の在庫が少なくなって値上がりし、差が1万円程度より小さくなっている → 同じく、新型寄りに考えてよい
購入するときに、2機種の価格を並べて見てみてください。
1つ前のモデルをいま買う意味
三菱電機の一般向けの製品ページは、すでに新型NJ-VP10Jの内容に置き換わっています。旧型NJ-VP10Hは、販売店に残っている在庫から買う形になります。
選べる色は、どちらも黒曜(こくよう)と白亜麻(しろあま)の2色。在庫が減ってくると、欲しい色が先に見つかりにくくなることもあるので、旧型に決めたら早めに探すのがよいでしょう。
NJ-VP10H(旧型)がおすすめな人
ここからは、どちらが向いているかを生活のシーンで整理します。まずは、基本のおすすめである旧型NJ-VP10Hからです。
いつものお米が7銘柄に入っている、または銘柄にこだわらない人
コシヒカリ、ゆめぴりか、あきたこまち、ひとめぼれ、ななつぼし、つや姫、ヒノヒカリ。ふだん買うお米がこの中にあるなら、銘柄芳潤炊きは旧型でも新型と同じように使えます。
スーパーでその日に安い銘柄を買う、ブレンド米でも気にしない、という家庭なら、白米のふつうや「おまかせ」で炊くことがほとんどでしょう。その場合、銘柄の数の違いは生活に出てきません。
低温調理は定番メニューで十分、あるいは使う予定がない人
サラダチキンや鮭フレークのように、65〜75℃で作れるメニューが中心なら、旧型で困ることはありません。
炊飯器で低温調理ができるならたまに使ってみようかな、くらいの段階なら、まずは旧型の温度の範囲で始めてみて、ほかの温度を使うレシピに興味が出てから考える、という順番でも遅くはないですよ。
同じ炊きあがりを、2万円弱抑えて手に入れたい人
釜も加熱の仕組みもサイズも同じなら、価格が抑えられている旧型を選ぶのは理にかなった選び方です。
浮いたぶんで、少しいいお米を買ってみる。そう考えると、炊飯器の機能にお金をかけるより、毎日のごはんの満足度に直結しやすいかもしれません。
ここまで読んで、旧型NJ-VP10Hでいいかもしれない、と感じた人もいるはずです。ただ、そこで残るのは「実際に買った人は、何か気になる点を挙げていないか」という別の疑問ですよね。
NJ-VP10Hの口コミ記事では、保温したごはんの色の変わり方や、内釜へのこびりつき、ふたのパッキンの溝に残る水分、お知らせ音の大きさといった気になる声を、どんな使い方の人に関係するのか、取扱説明書の対処法とあわせて整理しています。
また、同じ世代の下位モデルNJ-VS10Hと比べて、内釜の厚さや炊ける量の下限にどんな違いがあるかは、次の記事で整理しています。
NJ-VS10HとNJ-VP10Hの違いを比較した記事を読む
NJ-VP10H
NJ-VP10J(新型)がおすすめな人
一方、新型NJ-VP10Jがおすすめなのは、次のような人です。
増えた13銘柄のお米を、ふだんから買っている人
山形のはえぬきや雪若丸を選んでいる。地元の富富富や元気つくし、くまさんの輝きをいつも食べている。そんな家庭では、銘柄芳潤炊きで自分のお米を選べるのは新型だけです。
旧型でも「おまかせ」で炊けますが、銘柄専用の炊き方を使いたいなら、新型を選ぶ理由になります。お米の銘柄にこだわる家庭ほど、差額に見合うかどうかを考える価値があるでしょう。
低温調理を活用していて、温度を細かく選びたい人
低温調理をすでに料理に取り入れていて、レシピで57℃や62℃、80℃以上の温度を指定されることがあるなら、新型の温度の幅が役に立ちます。
炊飯器をもう一台の調理道具として使いこなしたい人にとって、選べる温度の数は、そのまま作れる料理の幅です。
この2つのどちらかにはっきり当てはまるなら、新型を選んでよいでしょう。しゃもじは手持ちのものか、市販の金属製以外のものを用意してください。
NJ-VP10J
結論: あなたに合うのはどっち?
最後に、選び方をまとめます。NJ-VP10JとNJ-VP10Hの違いは、銘柄芳潤炊きの銘柄の数、低温調理の温度、しゃもじの付属の3つでした。
迷ったら、次の2つを自分に聞いてみてください。
- いつも買っているお米は、新型で増えた13銘柄のどれかか
- 低温調理で、57℃・62℃や80℃・85℃を使うレシピを作る予定があるか
どちらかが「はい」なら、新型のNJ-VP10J。どちらも「いいえ」なら、炊き方の土台が同じで価格が抑えられている旧型のNJ-VP10Hで満足できるはずです。
ただし、購入するときに価格差が数千円程度まで縮んでいたら、新しいNJ-VP10Jを選ぶ判断もあります。
NJ-VP10H
NJ-VP10J
メルカリで中古品をチェックしてみる手も
NJ-VP10JとNJ-VP10Hは、メルカリに出品されていることがあります。中には、買い替えや引っ越しで使わなくなった、いただきものだけれど使う機会がなかったなどの理由で、新品未使用品が安く出品されている場合もあるので、一度確認してみるといいですよ。

