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東芝の過熱水蒸気オーブンレンジ「石窯ドーム」ER-D5000Bは、総庫内容量30L・熱風2段・350℃オーブンを備えた、2025年6月発売のモデルです。メーカー公式ではすでに生産終了品と案内されていて、後継として2026年6月にER-D5000Cが出ています。
ER-D5000Bには、レンジのオートあたためが一度で決まらず、結局は手動でしか使っていないという声があります。ただ、同じ人がオーブンには満足していて、レンジをおまけと位置づけているのが特徴です。あたためとオーブンで、役割を分けて評価されている機種、と言えます。
評価が集まっているのは、オーブンと設置条件です。パンやピザで活躍しているという声と、左右と背面を壁にぴったり付けて置けるので奥行40cmの食器棚に収まった、という声があります。
結論として、あたための自動精度を最優先する人、小さい焼き菓子を天板いっぱいに並べて均一に焼きたい人、使用後の音まで静かであってほしい人にはおすすめしにくい商品です。一方、350℃のオーブンを主役に使い、置き場所の奥行に余裕がない人なら候補にしやすいでしょう。
上に挙げた不満には、共通点がひとつあります。取扱説明書を読むと、どれも理由の書かれた仕様だった、という点です。そのうえで、口コミには出てこない購入前の確認事項も取扱説明書から拾い、後半で整理します。
結論の方向は、次の表のとおりです。
| 気になる口コミ | オートあたためが一度で決まらず、手動だけで使っている(一部)/レンジのあとに庫内の水滴が多い(一部)/使い終わったあとも回る冷却ファンの音と、庫内側面の突起の拭きにくさ(一部) |
|---|---|
| 評価されている点 | 左右と背面をぴったり付けて置ける。奥行40cmの食器棚に収まった(複数)/オーブンを主役に、パン・ピザで活躍している/同じ東芝からの買い替えで操作に迷わなかった |
| おすすめしにくい人 | あたための自動精度を最優先する人/小さい焼き菓子を天板いっぱいに並べて均一に焼きたい人/使用後の音まで静かであってほしい人 |
| おすすめな人 | 350℃・熱風2段のオーブンを主役に使い、あたためは手動で決めればよい人/置き場所の奥行が40cm前後しかない人 |
ER-D5000B
ER-D5000Bの悪い口コミ・気になる評判

購入前に気に留めておきたい声は、3つに整理できます。レンジのオートあたため、レンジのあとの庫内の水滴、そして冷却ファンの音と庫内側面の拭きにくさです。
この章にはひとつ特徴があります。3つとも、取扱説明書を開くと不満の正体が分かる、という点です。
「仕様だから仕方ない」で終わらせず、仕様だと分かったうえで自分の使い方に響くかどうかを、ひとつずつ見ていきましょう。
オートのあたためが一度で決まらず、結局は手動だけで使っているという口コミ
一部には、オートで温めても一回で決まったためしがなく、いまは手動で出力と時間を決めて使っているという声もあります。
同じ声は、以前使っていた他社機のほうがレンジは優秀だったと感じる一方で、オーブンについては楽しみたい機能がたくさんある、と評価していました。レンジとオーブンを分けて採点している、という読み方がいちばん近いでしょう。
不満の中身は「温まらない」ではなく、「一度で決まらない」です。オートに任せて取り出したら足りなくて、もう一度手動でかけ直す。それが続くと、最初から手動で入れたほうが早い、という着地になります。
その人が理由として挙げていたのは、説明書に「高さの違うものを同時に温めるときは置き方に注意するように」と書かれていたことでした。
ここは取扱説明書で確認できます。ごはんとおかずを二品同時に温めるときの項に、「器の高さが違う場合、背の高い器は左側に置く。右側に置くと赤外線センサーをさえぎり、左側の食品の温度を検知できない」と書かれています。中央に寄せて置くこと、端に置くとセンサーで検知できなくなることも、同じ項にあります。
二品同時のときの分量にも決まりがあります。常温・冷蔵なら1品100〜250g、冷凍なら1品100〜150gで、2品はほぼ同量にすること。冷凍したおかず、冷凍カレー、スープ、はじけやすい焼き魚、たれやソースのかかったおかずは二品同時に向かないので一品ずつ温めるように、とも書かれています。
一品だけのときにも、条件はあります。取扱説明書の「自動あたための注意とコツ」を生活の言葉に直すと、次の6つです。
- 1品100g以上(解凍は50g以上)。それより少ないものは自動では加熱しない決まりで、過加熱で発火のおそれがあるため
- ふたは外す。市販の弁当も、ふたとアルミホイルを取ってから。ふたがあると赤外線センサーが温度を検知できない
- 庫内底面の円を目安に、前後左右の中央に置く。中央から外れると過加熱になったり、温まらなかったりする
- 庫内が熱いうちは使わない。熱いとセンサーが正しく検知できないので、冷ましてから
- 容器はできるだけ背が低くて口の広いものを。容器の高さに対して食品が少ないと検知できない
- 食品を入れる前に、庫内の食品カスと、庫内・とびらの水滴を拭き取る
冷凍ごはんについては、さらに細かい指示があります。1個150g、厚さ2〜3cmの平らな形にしてラップでぴったり包むこと。保存容器や保存袋に入れたままでは自動あたためはうまくいかない、と取扱説明書ははっきり書いています。みそ汁にマグカップは使わない、ラップは容器のふちにかかる部分にすき間をあける、という注意もあります。
それでも足りなかったときは、取り出して混ぜたり並べかえたりしてから、手動レンジで様子を見ながら追加加熱する、というのが取扱説明書の案内です。
手動で使うときの出力は、1000W(最大5分、その後600Wへ自動で切り換わる)、600Wと500Wの連続、200W相当と100W相当です。低出力の「相当」は加熱を断続的に繰り返す方式で、弱い出力を連続でかける仕組みは後継のER-D5000Cで新しく載ったもの。後継との差については、記事の後半で改めて触れます。
この点が重くのしかかるのは、毎日のあたための精度を主目的にこのクラスを選ぼうとしている人です。高さの違う器をまとめて温めることが多い人や、他社の上位機からの買い替えで賢さを比べてしまう人も、同じように気になりやすいでしょう。
反対に、オーブンが主役で、あたためは出力と時間を自分で決めれば足りる人には、実害が小さい話です。温めるものが1品ずつの人や、単機能レンジや古い機種からの買い替えで「いまより悪くならなければよい」人も、ここで足を止める必要は薄いですね。
あたための賢さを買いに行く機種ではない、と割り切れるかどうか。ここが、この口コミを自分事にするかどうかの分かれ目です。
レンジのあとに庫内の水滴が多いという口コミ
一部には、レンジ加熱のあと庫内の水滴が多く、そのたびに乾燥させるのは納得がいかないという声もあります。
不便の中身は、使い終わって扉を開けると壁面や扉の内側がぬれていて、そのまま閉めて片づけるわけにいかない、という点です。1日に何度も使う人ほど、拭く回数もそのぶん増えます。
これも取扱説明書に理由が書かれています。庫内の説明に「密閉性を高めているため、庫内に水がたまることがあります。庫内が冷めてからすぐに拭き取ってください」とあり、本体側の設計として最初から案内されているものです。公式のよくある質問でも、スチームを使わなくても食品からの蒸気で水滴が付くことがあり、故障ではない、としています。
使ったあとの手順も決まっています。かたくしぼったぬれ布巾で庫内の全面(左右の側面・奥・天井・底面・とびらの内側)を拭き、そのあと庫内を乾燥させる、という2段階です。調理後に結露した水分は、冷めてから乾いた布でそのつど拭き取るように、とも書かれています。
乾燥のほうには「庫内乾燥」という専用のコースがあります。標準が5分、強め1が15分、強め2が25分の3段階で、取扱説明書には用途の目安まで書かれています。標準5分は「あたため後の湿気に」、強め1は「ゆで野菜」などのあとに、強め2はスチームを使った調理のあとに、という分け方です。
つまり、口コミにあった「レンジのたびに乾燥させる」は、メーカーが最初から想定している運用そのものです。そのために5分のコースが用意されている、と言い換えてもよいでしょう。コースを使わず、とびらを開けて自然乾燥させる方法も取扱説明書にあり、湿気が多い場合で1時間程度が目安とされています。
放置した場合のことも公式に書かれています。付着した水分や湿気は庫内の塗装劣化・さび・火花・発煙・発火の原因になるとして、使ったら1日1回程度は拭くことをすすめています。
ひとつ前の口コミともつながる点があります。自動あたための条件の1つが「食品を入れる前に庫内・とびらの水滴を拭き取る」でした。水滴を残したままだと、次の自動あたための検知にも響く。2つの不満は、取扱説明書の中では1本の線でつながっています。
負担に感じやすいのは、1日に何度もレンジを使う人、使い終わったらすぐ扉を閉めて片づけたい人、そもそも庫内を拭く習慣がない人です。
一方、使ったあとにさっと拭く習慣がある人や、扉を開けて乾かす時間を取れる人なら、生活のリズムはそれほど変わりません。「拭いて乾かす」を前提に設計された機種だと知ったうえで選ぶかどうか、が判断のしどころですね。
使い終わったあとも回る冷却ファンの音と、庫内側面の突起が拭きにくいという口コミ
一部には、使っている間の音は仕方ないとして、使い終わったあとも回り続ける冷却ファンが気になるという声もあります。
調理が終わって扉を開けたあとも、しばらく本体から風の音がする。台所が静かな時間帯ほど、その音が耳に残る、という不便です。
公式のよくある質問には、調理終了後に電気部品を冷却するためファンが回ることがあり、故障ではない、と書かれています。冷却中は表示部に「冷却中」と出る機種があること(表示されない機種もある)、そして冷却ファンが動いている間は電源プラグを抜かないことも、あわせて案内されています。
ここで混ぜてはいけない話があります。取扱説明書には、ブザー音を消す操作が載っています。すべてのブザーを消すことも、取り出し忘れのお知らせ(1分後・3分後・5分後に鳴る)だけを消すこともできます。ただし、それはブザーの話。冷却ファンの音を小さくしたり止めたりする方法は、取扱説明書にも公式の案内にもありません。
運転音の数値も仕様表にないので、他の機種と数字で比べることはできません。
気になりやすいのは、ワンルームの人、寝室や子どもの寝床が台所に近い間取りの人、深夜や早朝に使うことが多い人です。静かさを最優先して機種を選んでいる人も同じでしょう。台所が居室から離れている人や、日中の使用が中心の人なら、決め手になる場面は少ないはずです。
同じ声の中で、手入れについても触れられています。天井面と底面は突起がなく拭きやすい一方、側面はセンサーや照明、蒸気の吹き出し口などの突起が多くて気になる、という内容です。
側面の突起が何なのかは、取扱説明書の庫内の図に名前つきで載っています。温度センサー、安全スイッチ検出突起、スチーム吹出口(庫内の左側)、庫内灯、吸気口です。
このうち温度センサーと安全スイッチ検出突起には「角皿などを当てないでください。破損すると動作不良の原因」という注意が付いています。拭きにくいだけでなく、ぶつけたり強くこすったりできない理由がある、ということですね。とびらのパッキンも取りはずしはできず、押し込んだり引っ張ったりしないように、とされています。
庫内のコーティングは「とれちゃうコート」(セラミックコート。扉部と底面を除く)で、汚れを浮かせる「手間なしお手入れ」コースが標準3分・強め1 5分・強め2 10分の3段階で用意されています。給水カセットに水を入れた状態で行う、という条件付きです。
片側だけ切り取らないために付け加えると、複数の掲載先で、手入れは簡単だった、天井面と底面は拭きやすい、という声が見られました。「側面は気を使う。天井と底はさっと拭ける」というのが、声を合わせた実像に近いでしょう。
気になりやすいのは、オーブンやスチームを多用して庫内が汚れやすい人、細部まで拭き上げないと落ち着かない人です。あたため中心で庫内を汚しにくい人や、天井と底面をさっと拭ければ十分な人なら、突起の多さが毎日の負担になることは考えにくいでしょう。
悪い口コミから分かるER-D5000Bをおすすめしにくい人
前章の3つの声を人物像に置き換えると、次のようになります。ここに当てはまる人だけが、購入を考え直す理由になる内容です。
- あたための自動精度を最優先してこのクラスを選ぶ人。オートは量・ふた・置き位置など6つの条件がそろって働く設計で、放り込むだけの賢さを期待すると手動に戻ることになります。あたためだけが目的なら、この機種を選ぶ理由は薄いでしょう。
- 1日に何度もレンジを使い、使うたびに拭いて乾かす運用が負担な人。密閉性を高めた設計のため水滴は前提で、庫内乾燥の5分か、扉を開けての乾燥が毎回ついてきます。使う回数が多いほど、その手間も積み重なります。
- 使用後の音まで静かであってほしい人。冷却ファンは止められず、運転音の数値も公式にはありません。数字で比べられない以上、静かさを第一に選ぶ人には向きにくい点です。
- マドレーヌやカップケーキのような小さい焼き菓子を、天板いっぱいに並べて均一に焼きたい人。一部には焼きムラが大きかったという声があります(次章で触れます)。型に入れて焼く人や、おかず・パン・ピザが中心の人には当てはまりにくい話です。
ここに挙げた人以外にとっては、3つの声は「知ったうえで選ぶ」で済む内容です。評価されている側を、次の章で見ていきましょう。
ER-D5000Bの良い口コミ・評価されている点

声が集まっているのは、設置の条件とオーブンの2つです。前章で見たあたためではなく、この2つで選ばれている機種だと分かります。
順に、その評価が生活のどこで効くのかを見ていきましょう。
左右と背面をぴったり付けて置ける。奥行40cmの食器棚に収まったという口コミ
確認した口コミには、置き場所の面で選んだという声が複数ありました。比較的コンパクトな設計で収納しやすいという声と、自宅の食器棚が奥行40cmしかなく、そこに収まるメーカーが東芝しかなかった、裏面と横面をぴったり付けても大丈夫だった、という声です。
後者は、購入の決め手そのものが設置条件だったと述べています。
公式の仕様でも裏付けが取れます。外形寸法は幅498×奥行399×高さ396mmで(奥行39.9cmにハンドルは含まれません)、公式の仕様ページには「左右背面 ピッタリ設置」と明記されています。すき間が要るのは上方だけで、10cm以上です。
後方がガラスの場合だけは例外で、温度差で割れるおそれがあるため20cm以上あける、とされています。あけても割れることがある、という但し書き付きです。
生活に置き換えると、この機種は「奥行が薄い」というより、置ける場所の条件が緩い機種です。幅と奥行を測って壁に付ければよく、逃げを考えるのは上だけ。いまの食器棚やレンジ台を替えずに、30Lクラスへ上げられます。
満足しやすいのは、レンジ台や食器棚の奥行が40cm前後の人、30Lは無理だと諦めていた人、置き場所の条件で機種が絞られてしまう人です。ひとつだけ、吊戸棚の下に置く人は上方の10cmで引っかかりやすいので、そこは先に確かめておきたいところですね。
オーブンを主役に、パンやピザで活躍しているという口コミ
パンを焼いたりピザを作ったりで大活躍しているという声と、レンジには不満を残しつつもオーブンは楽しみたい機能がたくさんある、という声があります。前者は2人世帯で、温め・解凍・料理・お菓子作りに使っているとのことでした。
後者は、悪い口コミの章でレンジを「おまけ」と位置づけていた同じ人です。買い替えも考えたけれど、しばらくオーブンを楽しむことにした、という着地でした。オーブンが、この機種に残る理由になっています。
公式の仕様では、オーブンは100〜300℃および350℃、熱風2段。ラウンド石窯ドーム構造の熱風コンベクションに上ドームヒーターを組み合わせ、ヒーター出力はオーブン1410W・グリル1100Wです。
過熱水蒸気調理とハイブリッド調理は100〜250℃および300℃、発酵は30・35・40・45℃の4段階(スチーム発酵も同じ4段階)。深さ5cmの深皿調理とノンフライ調理にも対応しています。
ひとつ、トースターの代わりに毎朝使うつもりの人に知っておいてほしい数字があります。トースト(6枚切り2枚)は約5分30秒で、途中の約4分で裏返しが必要です。冷凍トーストは約7分30秒(約5分10秒で裏返し)、スチームトーストは約6分30秒(約4分30秒で裏返し)。
放っておけば焼き上がる、ではなく、裏返しの一手間込みで考えておくとよいでしょう。
一方で、一部には反対の声もあります。レンタルで使った範囲で、焼けムラが前後左右で大きく、マドレーヌやカップケーキのような小さい焼き菓子には向かないと感じた、料理は問題なかった、という内容です。オーブンの焼きムラについて公式の記載はなく、焼き上がりの感じ方は生地の配合やレシピでも変わります。
なお、350℃の運転時間には取扱説明書上の条件があります。後半の確認事項の章で扱います。
満足しやすいのは、週末にパンやお菓子を焼く人、オーブン目的で買い替える人、以前も石窯ドームを使っていた人です。
同じ東芝からの買い替えで、操作の勝手が変わらずスムーズに使えたという口コミ
一部には、以前使っていた東芝の石窯オーブンが寿命を迎えて買い替えたところ、使い方が同じなのでスムーズに使えている、デザインも良くなっていた、という声もあります。
別の声では、表示パネルに「設置する段」「給水」などが出るので次の操作が画面で分かる、多機能だが説明書を読んで知識を入れれば比較的操作しやすい、とも。
一方で、レンタル利用の範囲で、機能が多すぎて使いこなせなかったという声も一部にあります。初めて石窯ドームに触れる人には、慣れが要る、というのが正直なところでしょう。
公式の仕様では、表示部はバックライト付きの大型液晶(ブラック)で、操作は物理ボタン。総レシピ数304、自動メニュー126です。スマホ連携には対応しておらず、仕上がりアシストも非搭載(いずれも上位のD7000系のみ)です。
生活に置き換えると、同じ東芝からの買い替えなら、置き替えたその日から説明書を読み込まずに使い始められる、ということ。いま石窯ドームを使っていて寿命で買い替える人や、家族みんなが使うので操作を変えたくない人ほど、この点が効きます。
取扱説明書を読んで分かった、口コミには出てこない購入前の確認事項

この章は、寄せられた声ではなく取扱説明書の話です。前の章で見たとおり、不満の正体は取扱説明書で説明がつきました。ただ、取扱説明書には、そうした声に出てこない条件も書かれています。
買ってから気づくと困る順に、6つ拾いました。この章の主語はすべて「取扱説明書には、こう書かれています」です。
350℃で焼けるのは約5分。260℃以上はどこに設定しても230℃へ下がる
取扱説明書の仕様欄には、次のように書かれています。「350℃での運転時間は約5分です。その後は自動的に230℃に切り換わります。温度を260℃以上に設定したときも自動的に230℃に切り換わります」。
設定温度を350℃にしたときの予熱温度は300℃です。過熱水蒸気とハイブリッドで設定できるのは300℃までです。
つまり350℃は「ずっと350℃で焼ける」という意味ではなく、立ち上がりの約5分に効く数字です。260℃でも300℃でも350℃でも、5分後の着地は同じ230℃になります。
最後の一文の根拠も取扱説明書にあります。予熱終了後、とびらを開閉せずに20分(260〜350℃の設定では10分)経過すると調理を中止する、という決まりです。
一度に設定できる時間の上限も決まっています。オーブン100〜250℃は90分、260〜300℃と350℃は60分。過熱水蒸気・ハイブリッドは60分、グリルは30分です。レンジは1000Wが5分、600W・500Wが20分、200W・100Wと発酵・スチーム発酵が90分、蒸し・低温蒸し・スチームレンジが25分です。
高温の一撃で焼き付けたい人には、この5分は十分に意味があります。「350℃で長時間」を想像していた人は、ここで期待を修正してから選ぶとよいですね。
付属の角皿・深皿・焼網はレンジでは使えない。容器にも条件がある
取扱説明書には、レンジ加熱で使えないものが具体的に並んでいます。家庭で起きやすいものに絞ると、付属の角皿・深皿・焼網(火花が出る)、アルミホイル(解凍で部分的に使うのは可)、密閉性の高いふたや袋、耐熱140℃未満のプラスチック容器やラップ、金銀や色絵の付いた器、そして「電子レンジ使用可」の表示がない容器です。油脂・糖分・塩分の多い食品やケチャップは高温になるため、これも注意の対象になっています。
オーブンやグリルで使えないものもあります。プラスチック容器とラップ(蒸し・発酵など低温なら耐熱性のものは可)、耐熱性のないガラス、漆器、木・竹・紙製品です。オーブンシートやクッキングシートは、パッケージの耐熱温度に従えば使えます。
シリコン容器は使えますが、条件があります。オーブンの設定温度は容器の耐熱温度より30℃低い温度までで、耐熱200℃の容器なら170℃までです。過熱水蒸気・ハイブリッド・グリルでは使えず、庫内の奥側(熱風ヒーターの吹き出し口付近)に近づけないように、とされています。
深皿は上段のみで使います。そして取扱説明書は「『レンジ』加熱と『オーブン・グリル』加熱を間違えないでください。間違えると食品や容器が発煙・発火することがあります」と警告しています。表示パネルに「金属不使用」と出るという声がありましたが、この注意を本体側が画面で促している、と読めますね。
もうひとつ、公式サイトには載っていない数値が取扱説明書の仕様表にあります。庫内有効寸法は幅394×奥行314×高さ232mm。付属の角皿は41.2×29.1cmなので、手持ちの型や耐熱皿が入るかどうかは、この2つの数字を目安にするとよいでしょう。
電源は15A以上のコンセントを単独で。延長コードは不可、アース棒は同梱されない
取扱説明書には、電源は交流100V・定格15A以上のコンセントを単独で使う、と書かれています。他の器具と同時に使ったり、延長コードを使ったりすると火災や感電の原因になる、という理由付きです。電源コードの長さは1.4mです。
アースも取り付けが求められています。アース端子がない場合は電気工事の資格者によるD種接地工事が必要で、湿気の多い場所や水気のある場所では法律で義務付けられています。ガス管・水道管・避雷針・電話のアース線への接続は法令で禁止です。
そして公式の仕様ページには「アース棒は同梱しておりません」とあります。必要な場合は販売店に相談を、という案内です。
定格消費電力は電子レンジ1430W(14.6A)、ヒーター加熱1430W(14.3A)。届く前に確かめておきたいのは、置く予定の場所のコンセントが「単独で15A」かどうか、この1点に尽きます。
約21kgは二人で運ぶ。上に物を置かない、炊飯器の蒸気を当てない
質量は約21kgです。取扱説明書には、本体の移動は左右側面の下部を持ち、重量物なので二人で両側を持って運ぶことをすすめる、と書かれています。置く場所は十分な強度を持った平らな場所で、転倒防止金具は別売りです。
置いたあとの決まりもあります。本体の上にものを置いたり布をかぶせたりしない、角皿などの付属品も上に置かない。炊飯器やポットの蒸気が本体や操作部にかかる位置に置かない。オーブン調理のあとは床面が熱くなることがある。日本国内専用で、海外では使用もアフターサービスもできない、という項目です。
壁付けできるという長所は、上に物を載せられないことと引き換えです。レンジの上を収納代わりにしている人は、置き方を変える必要がありますね。
初めて使う日は「脱臭」40分のカラ焼きが要る。煙とにおいが出る
取扱説明書には、初めて使うときは「脱臭」コースで40分のカラ焼きをするように、と書かれています。「煙が出たり、においがしますが、故障ではありません」という但し書き付きです。
小鳥などの小動物は別の部屋に移し、換気扇を回して窓を開けること。とびらの内側のポリシートなどの包装材をすべて取り出してから行うこと、とも書かれています。
開梱してすぐ調理に入れるわけではない、ということです。40分と換気の時間を見込んで届く日を決めたいところで、小鳥を飼っている家は特に気を付けたい点でしょう。
庫内に使えない洗剤と道具が決まっている。中性洗剤とぬれ布巾が基本
取扱説明書には、お手入れに使ってはいけないものが列挙されています。中性以外の洗剤(アルカリ性・酸性)、オーブンクリーナー、粉末クレンザー、ベンジン、シンナー、アルコール、漂白剤、熱湯、可燃性ガス入りのスプレー洗剤、たわし、スポンジたわしの硬い部分、研磨剤入りナイロンたわし、金属たわしです。アルコールを吹きつけることも禁じられています。損傷・変色・変形・発煙・発火・さび・塗装はがれの原因になる、というのが理由です。
オーブンクリーナーやアルコールのスプレーを台所で日常的に使っている人ほど、ここで引っかかりやすいでしょう。
基本の手順は、庫内ととびらの内側をかたくしぼったぬれ布巾で拭くこと。落ちにくい汚れはぬれた布巾を30分ほど置いてふやかします。庫内底面のこびり付きは、液体クレンザーを2分置いて丸めたラップでこする方法が案内されていますが、周囲のシリコンパッキンや庫内の塗装面はこすらないように、とされています。
前の章の「側面の突起は強くこすれない」と合わせると、こすらずふやかすが正解の機種、ということになりますね。
そのほかに、吸排気口のほこりを掃除機で吸い取ること。ほこりがたまると電気部品を冷却できず故障の原因になる、とあり、これは冷却ファンが回る理由と同じ話です。給水カセットと水受けは食器洗い乾燥機・食器乾燥器・直射日光に当てないこと。
スチームを使うたびの手順もあります。パイプの水抜き(約2分)、庫内乾燥、給水カセットと水受けの水を捨てる、の3つです。水滴を拭き取らずにスチーム調理を繰り返すと水受けから水があふれることがある、とも書かれています。においが取れないときは「脱臭」コースを使う、という案内です。
口コミと仕様から分かったER-D5000Bがおすすめな人
良い口コミと悪い口コミの両方を踏まえて、選ぶ理由になる人物像を3つに絞りました。気になる点を承知のうえで、それでも得るもののほうが大きい人だけです。
- 350℃・熱風2段のオーブンを主役に使い、あたためは出力と時間を自分で決めればよい人。オートが決まらないという声はありますが、手動で使う人には実害が小さい話です。オーブン側の評価は、パンやピザという具体的な用途つきで語られています。
- レンジ台や食器棚の奥行が40cm前後で、左右と背面を壁付けして置きたい人。すき間が要るのは上方10cmだけで、設置条件が購入の決め手になったという声が複数ありました。水滴を拭く手間はつきますが、置けるかどうかの問題が先に解決します。
- いま東芝の石窯ドームを使っていて、操作の勝手を変えずに買い替えたい人。使い方が同じでスムーズだったという声があります。冷却ファンの音は気になるかもしれませんが、家族が使う台所ほど、操作が変わらないことの価値は大きいでしょう。
ただし、ここまではER-D5000B単体の話です。後継のER-D5000Cとどちらを選ぶかは別の判断になるので、次の章で整理します。
新モデルER-D5000Cと迷っているなら、レンジ側の差に数千円程度を払うかで判断
ER-D5000B単体について分かったのは、オーブンが主役として評価されていること、レンジのオートは条件が多く手動で使っている人がいること、そして設置の条件が緩いことでした。オーブンを主役に据える人なら、単体として大きく避ける理由はありません。
ただ、後継のER-D5000Cではなく、あえてER-D5000Bを選ぶべきかどうかは、この記事だけでは決められません。
ER-D5000Cで変わったのはレンジ側です。低出力(200W・100W)が「相当(断続的な加熱)」から「連続」に変わり、あたため・解凍の自動メニューが入れ替わって10個増えました(126から136)。焼く側、つまり350℃・熱風2段・ラウンド石窯ドーム・センサー・深皿・付属品・お手入れは、世代でひとつも変わっていません。
そして2機種の価格差は、いまは数千円程度まで縮んでいます。色によっては差がさらに小さくなっていることもあり、「安いから旧型」という理由は以前より弱くなりました。レンジ側の進化に、この差を払う価値があるかどうかが、残った判断です。
違い記事では、低出力が連続になったことで何が変わるのか、自動メニューの増減の中身、焼く側が同一であること、高さ・質量・上方に必要な空きの差、そして価格差をどう判断するかまで整理しています。
ER-D5000CとER-D5000Bの違いを、価格差も含めて確認する
ER-D5000Bを選んで後悔しにくいのはどんな人?
ER-D5000Bには、オートあたためが一度で決まらない、レンジのあとの水滴が多い、使用後も冷却ファンが回る、庫内側面の突起が拭きにくい、という声があります。いずれも取扱説明書に理由が書かれている仕様で、故障や不良ではありません。
そのため、あたための自動精度を最優先する人と、使用後の音まで静かであってほしい人には、おすすめしにくい商品です。
一方で、オーブンと設置条件は評価されています。パンやピザを焼く人、奥行40cm前後の場所に壁付けで置きたい人なら、メリットを感じやすいでしょう。
オーブンを主役に据え、あたためは手動で足りると割り切れる人なら、ER-D5000Bを選んでよいでしょう。
ただし、商品として悪くないことと、後継より自分に合うことは別の話です。あたためや解凍まで新しくしたい人は、前章の比較記事で価格差込みで確かめてから決めてください。
もうひとつ、選ぶ前に知っておきたいのが入手性です。ER-D5000Bはメーカー公式で生産終了品と案内されていて、買えるのは流通在庫だけ。取り扱っている店は後継より少なく、通販モールでは掲載を終えた店や売り切れの店も出ています。
買ったあとの窓口は残っています。修理の申し込み先は公式サイトにあり、補修用性能部品の最低保有期間は8年と定められています。
ただし、この8年の起点は「製造を打ち切った時」で、ER-D5000Bの製造打ち切りがいつなのかは公式に書かれていません。あと何年、と数えられる情報ではない点は、知ったうえで選びたいところです。
在庫があるうちに決める必要はありますが、急いで選ぶ機種でもありません。ここまでの条件に自分が当てはまるかどうかで判断すれば十分です。
ER-D5000Bの口コミ・評判まとめ
- 気になる口コミ①: オートあたためが一度で決まらず手動だけで使っている(一部)。取扱説明書は量・ふた・置き位置など6つの条件を課している
- 気になる口コミ②: レンジのあとに庫内の水滴が多い(一部)。密閉性を高めた設計で、あたため後の湿気には「庫内乾燥」標準5分のコースがある
- 気になる口コミ③: 使用後も回る冷却ファンの音と、庫内側面の突起の拭きにくさ(一部)。ファンを止める方法は無く、突起はぶつけると動作不良になるので強くこすれない
- 評価されている点①: 左右と背面をぴったり付けて置ける。奥行40cmの食器棚に収まったという声が複数
- 評価されている点②: オーブンを主役に、パン・ピザで活躍している(小さい焼き菓子の焼きムラを挙げる声も一部に)
- 評価されている点③: 同じ東芝からの買い替えで、操作の勝手が変わらなかった
- 取扱説明書から: 350℃は約5分で230℃へ/付属の角皿・深皿・焼網はレンジ不可/電源は15A単独でアース棒は同梱なし/初回は脱臭40分/使えない洗剤と道具が決まっている
- おすすめしにくい人: あたための自動精度を最優先する人/小さい焼き菓子を均一に焼きたい人/使用後の音まで静かであってほしい人。おすすめな人: 350℃・熱風2段のオーブンを主役に使い、あたためは手動で決めればよい人/置き場所の奥行が40cm前後の人
- 後継ER-D5000Cとの価格差は数千円程度。あたため・解凍まで新しくしたいなら比較記事で判断を
ER-D5000Bは、レンジに賢さを求めない人にとっての、350℃オーブン機です。不満として挙がっている点は、どれも取扱説明書に理由と手順が書かれている仕様でした。
自分の使い方がその仕様と合っているかどうか。ここまでの内容で確かめられたなら、あとは流通在庫を確認するだけです。
ER-D5000B

